坐骨神経痛を抱えている方の中には、同時に便秘や下痢に悩んでいる方も多いと思います。
これは便の排出にかかわる臓器である大腸は腰に近い部分にあるので、直接的な関係はなくても、その周囲の組織を巻き込んで痛みなどの様々な症状を引き起こすことがあるのです。
一般的に関連痛と呼ばれているものですが、何も下痢や便秘と坐骨神経痛に限ったことでは無く、色んな場所で関連痛は発生する可能性のあるものです。
坐骨神経痛と下痢や便秘の関連性として、坐骨神経の始まり部分と腸の神経の始まり部分が同じところにあるから便秘等になることで坐骨神経痛や腰痛の症状が出るんだとする説がありますが、これは間違いです。
大腸のトラブルと坐骨神経痛を抱えている方のほとんどは便秘が原因で坐骨神経痛になっているわけでは無く、坐骨神経痛や腰痛が原因で便秘や下痢になっています。
坐骨神経痛と下痢、便秘の関連性とそのメカニズム
便秘をしてお腹が苦しくなると背中側が痛くなることがあるので、大腸のトラブルがそのまま坐骨神経痛に影響していそうなイメージがありますが、実際にはその症状は珍しく、ほとんどの場合は坐骨神経痛が原因で大腸のトラブルが引き起こされています。
坐骨神経痛を引き起こす典型的な原因としては腰や臀部の筋肉の硬化や緊張が挙げられますが、このように筋肉が固まってしまうと血行の流れは当然悪くなることは容易に想像できると思います。
この血行不良が一番の原因で、例えば便秘の場合には血行不良により腸の働きが鈍ったり悪くなることによって引き起こされますし、下痢の場合には腰の緊張と共に腸の動きが鈍って水分代謝が悪くなることが原因で起こります。
便秘と下痢は症状的には真逆ですが、腰の筋肉の緊張によって大腸の活動量が低下するという根本的な原因は同じなんですね。
筋肉の緊張によって大腸トラブルが起きているのであれば、その筋肉の緊張をほぐすのが根本的な治療になるわけですが、これは坐骨神経痛の治療法も同じですので比較的長い目で見ていかないといけないものになります。
もし今すぐ大腸トラブルを改善したいと考えているのであれば、便秘の場合は日常生活で摂取する水分の量を意識的に多くすることです。
ヨーグルトなどの乳酸菌や食物繊維が便秘解消に役立つことは言うまでもないのですが、なんだかんだ言っても口から入ってくる水分量を増やすのが最も効果的です。
逆に下痢の場合には、多くの栄養や水分が輩出されてしまいますので、症状そのものの改善よりも栄養をきちんと摂ることの方が先決です。
水分補給は水だけでなく塩分も一緒に吸収できる味噌汁やスープなどを摂るようにして、食べ物としては良質なタンパク質である鳥のささみや豆腐、卵などを積極的に摂るようにしましょう。
ちなみに、下痢に関しては便秘と違って一概に悪いと言いきれない部分もあることは抑えておきましょう。
坐骨神経痛によって引き起こされている下痢なら良くないものですが、体に不要なものや大腸にたまった毒素などを輩出する役割も下痢は果たしますので、それが正常な体の反応である場合もあるということです。
症状が重い場合や進行した場合にはこんな症状も・・・
便秘や下痢を伴う坐骨神経痛を訴える方に多いのが、吐き気などの気持ち悪さによる食欲の低下です。
これは腸のみならず胃の活動までが低下している状態で、食べ物の消化が上手くいっていない可能性が考えられます。
このような症状を感じるまでに悪化してしまうと、
気持ち悪い→食欲低下から食べれない→栄養補給できない→坐骨神経痛等がさらに悪化
という非常に良くないサイクルになってしまう可能性があります。
食欲低下までなってしまっている方はまずは内服薬を使ってでも腸のトラブルを改善することが先決で、それから腰回りのことを考えていきましょう。
まだここまで悪化していないのであれば、事前にこの悪循環に入らないように事前に予防をしたいですね。
大きな病気の可能性も
便秘と腰痛が同時に引き起こされる例として怖いのが大腸がんとの関係です。
大腸がんの場合も腰部に痛みやだるさ、重さを感じ、それと合わせて便秘や下痢が起こることもあるので症状としては非常によく似ていると言えるでしょう。
これを見分けるための一番大きなポイントとしては血便や下血の有無です。
大腸がんの場合には血便や下血が一般的にはあります。
もしこれが伴っている場合にはすぐに病院で大腸の検査を受けてください。
大腸がんで出る血便や下血は黒っぽいものが多く、真っ赤な鮮血の場合には肛門付近で起きている切れ痔などの可能性がたかいでしょう。
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